「お月さまとって!」と、おなじことを言ったのを覚えている。モニカが言ったように、父にお願いをした。それから、どうなったんだっけ?なぜだかそのあとのことは覚えていないけど、たぶん、父は困った顔をして笑っていたのだろう。モニカの父のように、ほんとうにお月さまをとってはくれなかったし、かと言って、うまく話をしてもくれなかった。じれったい父に、ぷうっと頬を膨らませて、怒ったような気がする。だけど、父は不器用だから、うまく子供をあやす術を知らなかっただけなのだ。
エリック・カールの本は、すごく色彩が鮮やかで豊かで、きれいだ。見ているだけでうっとりしてしまうほどの鮮明な色合いと、そこに仕掛けられた数々の工夫。たぶん、これがわたしがはじめて手にした仕掛け絵本なのだと思う。長い長いはしごや、おおきなおおきな月に、すごく驚いたのを覚えている。絵本のおおきさからはみだしちゃってる!これ、ほかとは違う!と、思わせたはじめての絵本なのだ。もちろん、仕掛けだけじゃなく、その物語も魅力的で、月が満ち欠けすることを、自然に学ぶことができた。
どきどきわくわくしながら、一ページ一ページめくって、広げて、読み進めるのが楽しくて、ほんとうに夢中になった絵本です。